クルマと暮らすということ

real estate

現代の住宅事情とクルマ好きの意向が合致するガレージとは

東京を中心とした首都圏エリアで、クルマ好きがマイホームを持つ場合に必ず向き合わなければならないのが、愛車との距離感です。特にマンションなどを購入した場合には、一階の庭付き住戸でも選択しない限りは、目の届く範囲に愛車を置くことは不可能に近く、タワーマンションなどでは立体式駐車場がほぼ当たり前の状態です。朝の時間帯などは、出庫するのに並ぶといった不便を感じることも多々あるとか。一方で、戸建てを選択するオーナーも、世界でも有数に土地値が高い日本の首都圏では、クルマのために十分な敷地を確保するのは非常に困難です。エリアによっては、広い土地を確保するより、容積率緩和の特例を利用して、コンクリート造で地下に建物を確保するほうがコスト面でも有利になるといったケースも生じています。また、東京では建蔽率や容積率が比較的緩い場所も多いので、ガレージは思い切って住宅の中に取込んでしまうのも手段のひとつです。いわゆる「ビルトインガレージ」と呼ばれ、一定面積であれば容積率の緩和対象にもなるので、プランニングによっては非常に効果的な選択肢になります。
 ビルトインガレージは、愛車を住宅の中に取込むことで、常に近い距離で生活できるといった心理的な満足感もさることながら、夏場の強烈な紫外線や雨風、雪などの悪天候から愛車を守ってくれるといった実用的なメリットもあります。

ビルトインガレージという空間の美しさ

住宅を含めた建築の空間は、直線的なラインの構成が基本になります。これは、建築のボディである柱や梁、壁などの構造部の形状が直線的なラインで構成されていることに大きく由来しています。建築の構造は、水平方向や垂直方向など、外部からの直線的な負荷に対しての応力を計算するのが基本です。そういった観点からすると、力学的には直線の構成が一番理にかなっていると言えます。一方でクルマは、「僅かな力で、より遠くに、より速く」というのが基本概念となります。そうなると、ボディラインは必然的に流線的な形状が基本になります。ビルトインガレージが見せる空間の表情は、それらの直線と流線のコントラストにあると言えます。スリット窓や照明から差し込む直線的な光は、クルマのボディラインに沿って流線的な光のラインを描きます。優しくうねる流線的なラインは、ピーンと張りつめた直線的で緊張感のある空間に、独特の緩みを生み出します。

求められる技術と知識

ビルトインガレージの計画では、敷地と建物の配置やレベル設定が大変重要になります。ガレージと玄関との関係、前面道路と敷地の高低差、道路の勾配等を綿密に分析することがキモです。更に、建物の基礎や床スラブがクルマの出入りに影響しないような技術的な配慮も要求されてきます。特に複数台駐車するようなガレージなると、建物の構造にも工夫が必要です。並列駐車のために、6m近い大スパンを確保したり、リフトを採用するために天井高や地下室を確保したりと、ワンオーダーの設計ならではの技術とアイデアでクリアします。そういった意味でガレージは、居住スペース以上に建物としての技術力や機械の性能レベルが高くなります。シャッターやリフト、コンプレッサー、換気設備、給排水設備など、技術の粋を集めたクルマを納める空間には、相応にふさわしい技術力、機械力が求められるのかもしれません。数多くのビルトインガレージを計画してきたLDKホームには、多くのノウハウが蓄積されています。

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