高輪C邸

都心での家づくりでは、メインの空間の明るさや開放感の確保が優先課題として挙げられることが多くあります。そのため、南側に道路がある敷地はとても人気が高く、不動産の取引価格としても高額となる傾向があります。一方で、住まいとは「周辺環境との融合」、「敷地のもつメリットの最大化」が求められ、時にそれは、セオリーとされる「南側からの採光」ではない場合もあります。そのことが生み出す新しい切り口を住まいの大きな特徴とした実例です。
この土地の最大の特徴は敷地が面する北側の道路の向かいにある桜並木です。
桜並木と聞くと、自然と集まる日本人の習性は非常に興味深いですが、この住まいでは春の一定期間、家にいながら桜色の絨毯を眺められます。陽の光を南から受け、美しさを発揮する桜を眺めるために、リビングはあえて北向きとしています。
視線を一方向に向けさせるため、南側の開口部は極限まで絞り、トップライトや透過性のある扉で、住まいの中で明るさが行き交う工夫をしています。

一方、バスルームは色味を抑え、グレイッシュなトーンとすることで、独特のリラックス感を生み出しています。「明るさ」からは得られない「落ち着き」について考えさせられるとても良い住まいとなりました。

撮影協力:イエフォト
http://www.iephoto.jp

高輪2丁目C区画
所在地:東京都港区/敷地面積:29.54坪/延床面積:49.23坪/構造:木造(SE構法)/規模:地上3階
設計者:豊川義憲/LDK

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