設計者が自邸を建てるということ 第2話

計画地を決めた彼が次に進んだステップは、プランの検討と融資(住宅ローン)の選定です。
プランニングは自らの専門分野なだけに、基本コンセプトからラフプランまでは一気に進められたようです。その段階で建築コストをある程度算定し、住宅取得にかかる総額費用を計算します。それを基に融資などの資金計画を練り上げるのです。
続いての課題は住宅ローン。
土地を取得してからオーダー住宅を建築するにあたっては、土地の購入資金と建築コストの支払いタイミングが異なってくるため、適切なタイミングで銀行から融資を受けることが肝要です。このタイミングを間違えると、家賃とローンの返済が重なるなど、資金面で苦労してしまうケースがあります。
その点も、これまでの様々なプロジェクトを通じて得た経験から、資金の支払いタイミングを緻密に検討し、建築中の生活を圧迫しないようなスケジュールを組み立てて銀行との交渉を行なったようです。いつもクライアントの住宅ローンは私が担当しているので、彼にとっては初めてのプロセスと手続きだったと思いますが、この経験を経た彼には、今後のプロジェクトで住宅ローンも任せられると期待しています。

住宅ローンも決まり、土地の契約を終えたあとは、自らの専門分野である設計を開始。計画地の地質やコストなどから、工法は木造に決め、計画地のポテンシャルを最大限に引き出すような形状とプランニングとするために、構造計算まで行ないました。通常業務のあとや土日の空いた時間を使って設計を進めていたようです。当時、泊まり込みや休日出勤が多かったのは、このためだったのか!と今更ながらに合点がいきました。施工して頂く工務店は日頃から弊社でもお世話になっている工務店ですが、ここは経験を活かして、専門業者さんを自ら手配したり、建材や機器などは自ら購入して支給にするなど、分離発注をフル活用して徹底したコストダウンを図ったようです。今回のプロジェクトにおいて、当然弊社は設計料を頂いておりませんので、設計料だけでなく分離発注でのコストダウンはとても効果的だったと思います。
ただ、彼曰く、分離発注は二度とやりたくない!とのこと。

設計も試行錯誤しながらも、何とか進み、無事に確認申請も受理されて、いざ着工という段階でちょっとしたトラブルが。

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